自家焙煎の始め方・道具紹介

自家焙煎の始め方・道具紹介

初心者でも始めやすい自家焙煎の方法と道具を紹介。Sandbox Smart R1とKAKACOO Coffee Roasterを実際に使った比較レビュー。


初心者が自宅焙煎を始めるなら、まずは100〜200g程度焙煎できる電気式焙煎機がおすすめです。 私自身はSandbox Smart R1から始め、現在はKAKACOO Coffee Roasterを使用しています。 実際に使ってみると、

  • 「失敗しにくさ」ならSandbox
  • 「焙煎を学ぶ楽しさ」ならKAKACOO

という印象でした。

珈琲好きであればふと「自分で焙煎もしたい」と思うことがあると思います。実は私も数年前から、細々と自家焙煎を続けています。今では知人へのギフト用に焙煎するまでになりました。そこで今回は、自家焙煎の始め方・道具について紹介します。

焙煎機の選び方

コーヒー焙煎には焙煎機が必要です。焙煎機はピンからキリまで様々なものがあります。まずは自分の用途、目的、規模感に合わせた焙煎機を選びましょう。

私の場合は、未経験で失敗しても被害が少なくて済むように少量から始めたかったので、少しずつ焙煎できるものを考えました。1日2杯程度飲むなら、1週間でざっくり20g/日×7日分の焙煎豆を消費することになります。1週に1回程度で焙煎するのであれば、1回あたりの焙煎量は100〜200gあたりの生豆で良いです。焙煎後に実感したのですが、生豆を焙煎すると水分などが抜け約15〜20%弱、重量が軽くなります。実際に生豆339gを焙煎したところ焙煎豆は283.5gになり、約16%軽くなりました。

私は、まずは自分で消費する目的、練習や趣味のための焙煎だったため、100〜200g程度焙煎できればと思っていました。Gene Cafe CBR-101A、ダイニチ Cafe Pro MR-102も購入を検討したのですが、最終的には温度プロファイルを見てみたかったので、グラフで記録してくれて管理がしやすいSandbox Smart R1を購入することにしました。

→ Amazon で Sandbox Smart R1 を見る

値段は約10万円と決して安くない買い物でしたが、いつまでも迷って焙煎できずにいたため(数年は焙煎したいと思って踏み出せずにいました)、焙煎の世界におりゃーっと飛び込むことに決めて、購入に至りました。1ハゼ、2ハゼが起こったら自分でそのタイミングでボタンをタップする必要がありますが、他は焙煎度に応じて自動で温度管理や加熱時間を調整してくれるので、初心者でも上手く焙煎できると思います。初めての焙煎では、本当にパチパチっという音がするのか半信半疑でした。聞き逃すまいと耳を澄ませていたのですが、実際にはっきりとパチパチ音が聞こえてきた時は、「“ハゼ”ってこんなに聞こえるのか」と驚いたものです。

焙煎機 比較表

実際に検討・使用した機種を中心に、特徴を簡単にまとめると以下の通りです。

機種おすすめ度向いている人焙煎方式特徴操作難易度
Sandbox Smart R1★★★★☆初めて焙煎する人/マンション住まい半熱風・スマート制御アプリ連携・自動プロファイル・デザイン性が高い少なめ非常に簡単
KAKACOO Coffee Roaster★★★★☆焙煎を深く学びたい人/量を増やしたい人半熱風系”自分で焼く感”が強い・自由度が高いやや出る中程度
SANDBOX SMART R2★★★★★(価格高め)本格的に焙煎したい人/再現性重視の人高精度半熱風細かい温度プロファイル管理・再現性が高い少なめやや難しい
Gene Cafe CBR-101A★★★★★初心者〜中級者/安定した焙煎をしたい人熱風式世界的定番モデル・焙煎ムラが少ない比較的少ない扱いやすい
ダイニチ Cafe Pro MR-102★★★★☆家電感覚で始めたい人電気ヒーター直火式日本製・ボタン操作中心・扱いやすい比較的少ない非常に簡単
手網焙煎★★☆☆☆とにかく安く始めたい人直火数千円で始められる・昔ながらの焙煎方法多い難しい

こんな人にはこの焙煎機がおすすめ

  • 「まず失敗せずに始めたい」→ Sandbox Smart R1
  • 「焙煎を勉強したい」→ KAKACOO Coffee Roaster
  • 「再現性を高めたい」→ SANDBOX SMART R2
  • 「安定感重視」→ Gene Cafe CBR-101A
  • 「簡単・家電感覚」→ ダイニチ Cafe Pro
  • 「低予算で試したい」→ 手網焙煎

KAKACOO Coffee Roaster を使い始めた理由

KAKACOO Coffee Roaster

しばらくはSandbox Smart R1を使用していましたが、知人に焙煎豆をあげたりするようになると、もう少し1回量を多く焙煎したいと思うようになってきました。そこで1回に最大400gまで生豆を投入できるKAKACOO Coffee Roasterを使用するようになりました。この焙煎機は自宅のガスコンロで加熱でき、価格も約3万円と比較的購入しやすい金額でした。

KAKACOOをガスコンロで使用するシーン

Sandboxは温度や時間をほぼ制御してくれるのでほとんど失敗した記憶はありませんが、KAKACOO Coffee Roasterはアナログな焙煎機で、煎り止めや火加減を自分で調整する必要があります。そのため、Sandboxよりも再現性が得られにくいですが、その分焙煎をより自分でコントロールしている感じがあります。一応400gまで生豆を投入できるようですが、その場合は煎りムラが起き易いので、350gぐらいまでが焙煎しやすいと思います。耐熱ガラス製なので焙煎中の豆の様子が目で確認できるのも特徴のひとつです。ただし使用回数を重ねると内側にガラスが焦げつき、徐々に見えにくくなっていきます。メラミンスポンジでは落としにくく、現在こげグレンジングを使って落とせるか検証中です。とはいえ焦げつく頃には焙煎にも慣れてきますし、豆投入口からスプーンを入れて焙煎中でも豆の状態を直接確認できるので、実際にはほとんど困っていません。

1回焙煎量の多いSandbox Smart R2の購入も検討しましたが、価格の観点と他の焙煎方法も試してみたいという思いから購入を断念しました。ただ良い焙煎機であるとは思いますので、コーヒー消費量が多い方や集合住宅に住んでいて、焙煎によって部屋に香りや煙が充満するのをできるだけ避けたいと言う方にはお勧めだと思います。

どんな人におすすめか

Sandbox R1がおすすめな人

  • 初めて焙煎する
  • マンション住まい
  • 煙を抑えたい
  • 温度管理が不安

KAKACOOがおすすめな人

  • 焙煎を学びたい
  • 量を増やしたい
  • ガス火で本格的にやりたい

Sandbox Smart R1 の気になった点

Sandbox Smart R1を使っていて気になった点として、焙煎中にBluetooth接続が切れて焙煎が止まることが度々ありました。公式サイトによるとアプリとシステムを再起動して再ペアリングするのが対処法とのことですが、根本的な解決には至りませんでした。スマートフォンをなるべく近くに置く・他のアプリをすべて閉じる・アプリを最新版に保つといった対策で改善することもありますが、完全には解消しませんでした。この点はR1を検討されている方にはあらかじめ知っておいていただきたいと思います。後継機のR2ではBluetooth切断時の自動停止システムが強化されており同様の問題は大幅に改善されているようです。それでもR1を選んだ理由は温度プロファイルの可視化と初心者でも失敗しにくい自動制御の魅力が上回ったからです。R2は煙や匂いが少なく大量焙煎したい方に向いていますが価格が約33万円と高額なため、まずR1で焙煎を始めてみるという選択肢も十分ありだと思います。

焙煎による重量変化

生豆を焙煎すると水分などが抜け約15〜20%弱、重量が軽くなります。実際に生豆339gを焙煎したところ焙煎豆は283.5gになり、約16%軽くなりました。

生豆 339g
焙煎前:生豆 339g
焙煎豆 283.5g
焙煎後:焙煎豆 283.5g(約16%減)

コーヒー生豆の買い方

ネットショップで購入しています。私はコーヒー界で有名な市川ヒロトモさんの書籍「おうち焙煎ハンドブック」の電子書籍で購入し、そこで紹介されていた生豆本舗で購入しました。種類が豊富で100gから10g単位で購入できるため初心者にも購入し易いと思います。他にも「おうち焙煎ハンドブック」では生豆本舗の他にもワイルド珈琲、ワールドビーンズショップ、松屋珈琲などが紹介されていました。私はまだ利用していませんが、それぞれのショップの特徴を下のようにまとめてみました。

生豆購入ショップ 比較表

ショップおすすめ度特徴強み最小購入単位ハンドピック価格帯注意点こんな人におすすめ
生豆本舗★★★★★種類が非常に豊富な初心者向け専門店100g単位で購入可能・少量で試しやすい・ハンドピック対応あり100g〜(10g単位)対応あり普通人気豆は売り切れることがあるまず色々な豆を少量ずつ試したい初心者
ワイルド珈琲★★★★☆アラビカ種一級品専門・焙煎機販売も行う老舗豆の単価が安い・ニュークロップが豊富・マニアックな品揃え500g〜なし安め最小500gから・自分でハンドピック必要焙煎に慣れてコスパ良く大量に買いたい人・珍しい産地を試したい人
ワールドビーンズショップ★★★★☆味・風味の説明が丁寧でわかりやすい焙煎度や風味の説明が丁寧・初心者でも選びやすい商品による(100g〜1kg程度)公式記載確認できず普通品揃えはやや少なめ味の違いを勉強したい人・産地選びに迷っている人
松屋珈琲★★★★☆老舗の業務用感が強いコスパ重視店コスパが良い・定番豆が豊富・大容量購入しやすい1kg〜なし安め大容量購入が基本たくさん焙煎したい人・コスパ重視の人

生豆選びで迷ったら

  • まず少量で色々試したい → 生豆本舗
  • 焙煎に慣れてきてコスパ良く買いたい → ワイルド珈琲
  • 味の違いを勉強したい → ワールドビーンズショップ
  • コスパ重視でたくさん買いたい → 松屋珈琲

初心者におすすめの買い方

最初は200〜300g程度の少量購入がおすすめです。100gぐらいずつ少量から焙煎し、2〜3回繰り返せば焙煎に慣れてきます。同じ焙煎度でも、産地によって香りや酸味、甘みがかなり変わるため、少量ずつ試していくと自分の好みが見えてきます。

冷却機

焙煎したコーヒーを冷却するのに必要です。冷却しないと焙煎が進んでしまいます。私はサンドボックスR1にセットでついていた冷却器を使用しています。ファンがついていて焙煎したての豆が急速に冷却されます。焙煎豆の量は400gが限界かなと思います。

金属メッシュや竹のザルに焙煎豆を乗せて豆を揺さぶったり高く放ったりしてチャフ(チャフとはコーヒー豆の薄皮のことで、焙煎時に剥がれ落ちます)を飛ばしながら冷却する方法もありますが、自宅室内ではチャフが散らかってしまいますので、やはり電動の冷却器はあった方が便利です。Sandbox R1付属の冷却器は単品でも購入できますし、別売りの電動コーヒークーラーでも代用可能です。初めての場合は家庭用の容量400gぐらいで良いと思います。

電動コーヒークーラー

焙煎環境

KAKACOO Coffee Roasterのようなタイプを使用する場合はガスコンロが必要になってきます。自宅にガスコンロがない場合はカセットコンロで代用できます。

カセットコンロでKAKACOOを使用するシーン

1回の焙煎時間は予熱時間含め20分前後になるかと思います。火力は弱火〜中火で焙煎しますので、ボンベはそれほど頻回に交換が必要というわけではないと思います。少なくとも3回以上はできると思います。ボンベは3缶セットで数百円で近くのドラッグストア等でも購入可能です。ただ、チャフが出て焙煎時の香りが部屋中に広がり、煙たくなるのでそこは注意が必要です。ガス式は香りや煙が出やすいため、住環境に合わせた選択が重要です。

マンションなどの集合住宅で焙煎を行う場合など、煙や匂いが気になる場合は、電気式の煙が少ないタイプの電気式モデル、Sandbox Smart R1、R2、ダイニチのカフェプロ、Gene Cafe CBR-101Aなどがいいかもしれません。環境に合わせて機種を選ぶのが長続きのコツではないかと思います。

まとめ

まずは自分の目的に合わせた焙煎機を購入し、生豆を入手しましょう。

いざ焙煎を始めるとなると色々な道具を準備したり、失敗することへの不安感などからなかなか踏み出せないと思います。しかし、一歩焙煎の世界に踏み出せば、その瞬間からあなたも憧れの焙煎士です。焙煎することで初めて生豆に触れ、ナチュラル製法やウォッシュドの製法など精製方法の違いが香りに与える影響を直に感じることができ理解が深まりました。生豆の状態から、自分の手で香りを引き出していく感覚は、自家焙煎ならではの楽しさです。自分が焙煎した豆で入れたコーヒーを飲んで焙煎を振り返るのも乙なものです。

KAKACOO Coffee Roasterでの実際の焙煎の様子も記事にしていますので、ぜひご覧ください。